【21年6月10日 いよいよ盛岡バスセンターの穐吉敏子ジャズミュージアム 始動】

 去る21年6月8日、盛岡バスセンターにオープンする穐吉敏子ジャズミュージアムを運営するNPO法人が発足した、という話が各紙に掲載された。
■運営のNPO法人発足 穐吉敏子ジャズミュージアム 作品や功績を紹介 音楽振興にも取り組む | 盛岡タイムス Web News
■ジャズ「博物館」始動へNPO設立 新盛岡バスセンター内に開設 | 岩手日報 IWATE NIPPO
 詳細については記事をご覧いただければと思う。盛岡バスセンターについては、これまた先日、建築事業者の審査結果も公表され、当初の計画通りのスケジュールではないが、着実に着工向けて歩を進めているところ。
 むしろ新型コロナウイルスなどによる世の中の変わりようを考えればこの程度で体制を立て直すことができた、とも考えられる。
 いずれ、地元として期待感も高まる。
 盛岡バスセンターは河南地区・盛岡にとっての「ローカルハブ」になる、というコンセプトが掲げられている。端的に街の人や人がもたらす様々な物事の「扇の要」の役割を担おう、というとても意欲的なコンセプトだ。
 このコンセプトを体現するために用意されたキーパーツの一つがこの穐吉敏子さんのジャズミュージアムだ。まだ様々な観点で大きい偏見や差別が残っていた時代に単身、渡米し、かのバークリー音楽院の日本人として初めて学び数々の功績を残された。御年91歳、未だ現役のジャズピアニストである。
 その穐吉敏子さんが何で盛岡に?!と思われた方も多いだろう。その大きい理由の一つが今回、運営NPO法人の理事長に就任されたジョニーこと照井顕さん。説明不要の方も多いとは思うが「陸前高田ジョニー」・「開運橋ジョニー」と親しまれてきたジャズ喫茶、ジョニーのマスターである。
 ジョニーさんは穐吉さんをして「私のクレイジーなファン」と言わしめるほど、熱狂的なファン。約40年の交友という。
 他の都市でも偉業を成し遂げた穐吉さんの記念ミュージアムの話が出たこともあるそうなのだが、ジャズファンの間ではやっぱりそれはジョニーさんが絡んでいないと納得感が無いということで立ち消えになった、というウワサも。
 いずれにせよ、知る人からすれば盛岡に穐吉敏子さんの記念ミュージアムが出来るのはしごく当然の事、という受け止めなのだそうだ。
 河南地区とジャズ、という観点で言えば、やはりジャズ喫茶は外せないだろう。現在でも営業を続けるDANTEさんとか、盛岡の粋な先輩方とジャズの話をしているとほぼ間違いなく出てくる伴天連茶屋。
 岩手に話を広げれば、伝説のジャズ喫茶 一関のベイシーもあるし、大槌のクイーンも被災した後、大槌駅前でクインとして再出発している。
 いずれそういう所で耳が鍛えられていることもあるのか、先輩方が言うには、盛岡・岩手のお客さんはジャズの楽しみ方を知っている。だから、ジャズプレイヤーも気が抜けないと恐れらているのだとか。そんな緊張感のある熱の入ったライブを見たファンが大きい拍手を送りまたジャズを好きになる。こうやって盛岡・岩手のジャズは耕されてきたのだろう。
 聞きかじりを集めただけでもこれだけの話が出てくるのが河南地区・盛岡・岩手とジャズとの関係性。
 このジャズミュージアムが切欠でジャズのオールドファンだけではなく新しいファンも増えて音楽の絶えない河南地区・盛岡・岩手になる。私たちにまた一つ、とっても幸せな夢が出来た。